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17~18世紀の有名な中国の怪異伝集に
「聊斎志異(りょうさいしい/Liêu trai chí dị)」
作 蒲松齢(ほしょうれい/Bồ Tùng Linh)があります。

嶺南摭怪(れいなんせきかい)と同じように
口伝えの怪異伝を蒲松齢がまとめた物だそうです。

その中に交州(Giao Châu 当時のベトナムなど)と夜叉国(チェンパ)を
舞台にした話があるのであらすじを紹介します。

食べ物で懐柔したり、旦那さんが尻に敷かれたり、
ベトナムの昔話あるあるです。

夜叉国(Dạ Xoa Quốc)

交州の徐(Từ)と言う人が船で商売に出かけ、難破して夜叉国にたどり着きます。
夜叉国の人々においしい料理を作って気に入られ、妻もめとらされます。
ほかの女性も徐を誘惑しますが、妻は非常に怒ります。
やがて二男一女の三つ子を授かり幸せに暮らしていましたが、
ある日北風の吹く日に彪(Bưu)という兄を連れて、黙って船で帰ってきてしまいます。
兄の彪は交州で副将となり活躍します。

ある時別の商人が難破して、夜叉国で弟の豹(Báo)に会いました。
弟の豹は商人が交州に帰るのを手伝い、言付けを頼みました。
商人が交州に帰って話をすると、兄の彪は矢も楯もたまらず将軍に頼んで
家族に会いに行きました。

しかし彪の船は難破してしまい、臥眉山出身の夜叉国の人に助けられ
臥眉(Ngọa Mi)山まで送ってもらい、やっと弟たちに会えました。
そして弟たちを交州に連れ帰ると、豹も武官になり、妹の夜兒(Dạ Nhi)も
武官と結婚しました。妹は弓(石弓?)がうまく、
夫と一緒に戦いに行き功績を上げました。

妻は徐が黙って交州に帰ってしまったことを怒り、徐はいつも謝っていました。
妻は子どもが戦いに行くときはいつもいっしょに助け、「夫人」の称号を得ました。

ベトナム語の夜叉国の話

中国語の夜叉国